福岡県の郷土料理もつ鍋の作り方と歴史

福岡のモツ鍋

福岡県を代表する郷土料理として、全国的にも楽しまれているのが「もつ鍋」です。柔らかく旨味たっぷりのモツを入れた鍋は、美味しいと同時にコラーゲンによる美容効果があることも人気の一つとなっています。

さて、このもつ鍋、どのような歴史を持ち、そしてどうすれば美味しく作れるのでしょうか。今回はその歴史と、美味しさの秘密、美味しい作り方を紹介していきましょう。

もつ鍋の歴史

炭鉱勤務の朝鮮半島人の食事が発祥

福岡にかつてあった筑豊炭田と呼ばれる炭鉱は、日本で最大規模の炭鉱であったことが知られています。もつ鍋と炭鉱、この二者にどういった関係があるのかというと、炭鉱では朝鮮半島の人たちが働いており、その人たちがもつ鍋が生まれるきっかけを作ったからです。

このもつ鍋の元となったのが生まれたのは、第二次世界大戦が終了した後のことです。ホルモンと呼ばれる牛の内臓などと、野菜のニラをしょうゆ味をつけて鍋で炊いていたことから、もつ鍋は生まれました。
つまり、もつ鍋の起源は朝鮮半島にあるとも考えられます。

1990年代にもつ鍋ブームが到来する

終戦後に食べられていたもつ鍋の原型は、終戦から数十年後の1960年代にすき焼きのような形式で食べられるようになりました。

もつ鍋の調理をする段階で唐辛子を油で炒めたり、具材にネギを使ったりするようになったのもこの頃です。

そしてさらに時は進み、バブルが崩壊した後の1990年代には日本の中心地である東京においてもつ鍋が大流行しました。これによって、福岡だけではなく全国的にもつ鍋が親しまれるようになったのです。

その後、ブームは過ぎ去りやや下火にはなりましたが、それでもなおその美味しさから福岡県を中心に全国的に根強い人気を誇る鍋料理になっています。

もつ鍋の旨さの秘密

モツの食感や旨味が鍋の肝

もつ鍋の旨さを決定的なものとしているのは、メインの具材であるモツの存在が大きいでしょう。モツは脂身なので、柔らかい食感であるとともに口に入れた瞬間に溶けるので病みつきになります。

また、モツには旨味成分も多く含まれているので、モツそのものが美味しいだけではなく、その旨味が溶け出して鍋全体を美味しくしれくれます。

鍋は出汁によって具材を美味しくさせることが一般的ですが、もつ鍋の場合は具材であるモツが鍋を美味しくする調味料の役割も果たしているのです。

ニンニクと唐辛子のアクセント

もつ鍋の特徴の一つとして挙げられるのが、調味料です。

基本的な鍋ならば、出汁に醤油や味噌などで味付けするという単純なものが多いです。その点で、もつ鍋はニンニクや唐辛子を入れることで、その独特の味を出しています。

ニンニクはスープにコクを出してくれます。唐辛子は辛いという刺激的要素をスープに加えると同時に、辛さの中にある風味を豊かにしてくれるというのもポイントです。

この二つの調味料がアクセントとして使われているため、もつ鍋は他の鍋とは少し違った味わいを出すことに成功しています。これらがもつ鍋の旨さの秘密になります。

もつ鍋の作り方

具材を適切なタイミングで入れる

もつ鍋の作り方で、一番気をつけたいポイントであるのが、具材を適切なタイミングで鍋へ入れるという点です。このタイミングをしっかりと見計らうことによって、ちょうど良い味付けや食感でもつ鍋が食べられるようになります。

最初に入れる具材として、ニンニクです。塊状のニンニクを3片から4片ほど入れてください。その次に入れるのが、メインの食材のモツです。モツが十分に煮られるまでに時間がかかることや、旨味を鍋の中に溶け出させるためにも、モツは早めに煮ましょう。

そして火の通りにくい固めの食材から順々に入れていき、最後にニラを入れてさっと火を通すようにすると美味しく作ることができます。

シメにちゃんぽん麺を入れる

もつ鍋の影の主役として、シメのちゃんぽんめんがあります。ちゃんぽんめんの存在は偉大です。ですので、家庭などで作る場合でも、シメのちゃんぽん麺を入れてみてください。

ちゃんぽん麺は本場九州のものを取り寄せても良いですが、市販されている安いちゃんぽん麺や蒸し麺でも十分美味しいシメのちゃんぽんを作れます。

ちゃんぽん麺の選び方としては、太くてしっかりとした食感のものを選びましょう。鍋の中の具材が少なくなり、スープが煮詰まれば特に手を加えずともちゃんぽん麺にベストな鍋の味になっています。

その他の地方の鍋に関しての記事はこちら → 水炊きって何?水炊きの旨さの秘密と作り方

まとめ

朝鮮半島の人達がホルモンを醤油で煮て食べたことで、今、福岡においてはソウルフードとも呼べるべきもつ鍋という郷土料理が根付くようになりました。

その美味しさの秘訣は、もつや具材の適切な調理と、シメにあります。自宅で作る際にも、ぜひその点に注意して作ってみてください。